臍ヘルニア(いわゆるでべそ)と治療法(綿球圧迫法)について

<綿球圧迫法とは?>
臍ヘルニア(いわゆる「でべそ」)の多くは1 歳頃までに自然治癒
するため,従来は放置されてきました.
しかし,
(1)放置した場合に「でべそ」が大きくなる例がある,
(2)自然治癒しない例がある,
(3)自然治癒しても過剰皮膚が残り,「でべそ」が治っても見掛け
が悪くなる場合がある,
ため,最近は「綿球圧迫法」を用いて積極的に治療します.
<方法>
直径5-10mm の綿球を臍ヘルニアの部分にあて,臍ヘルニアをへこませ,臍の両側の皮膚
を中央にたぐり寄せて絆創膏で固定します.さらにその上をサージカルテープで被う場合も
あります.こうして,4-8 週間固定しておくと,臍ヘルニアが治ります.1 週間に1 度,絆創膏
の貼り替えを行うので,通院してください.
<ポンント>
(1)生後8 週までに綿球圧迫法を開始した場合には,それ以後に開始した場合に比べ,治癒
率が高くなります.「臍は早いうちに押さえる!!」のがポイントです.
(2)綿球圧迫法開始後,8 週間以内に60%が治癒します.
(3)綿球圧迫法がうまくいかないあるいは効果が上がらないのは,皮膚が絆創膏でかぶれて
しまって圧迫を継続できない場合,皮膚の可動性が大きくて絆創膏で固定しても臍を十分に
圧迫できない場合,治療開始が遅れた場合などです.
(4)圧迫を1 日休むと1 週間分の効果がフイになってしまうので,圧迫を休まずに行うことが
ポイントです.自宅で絆創膏がはがれてしまった場合には,同じように絆創膏を貼って翌日
受診してください.綿球を固定し直します.
(5)サージカルテープ等で被ってあれば,そのままお風呂に入って差し支えありません.
(6)皮膚が絆創膏でかぶれた場合には,ステロイド軟膏を塗布して,皮膚を元通りにしないと
いけません.軟膏を塗布した皮膚には絆創膏がつかないので,綿球圧迫法を一時的に中断
しないといけません.ただし,絆創膏の固定位置を変えて,続行可能な場合もあります.