よだれかぶれ

離乳食が始まる頃から2歳くらいまでは,”よだれ”の多いお子さんがいます.
”よだれ”は食べ物かすなどとともに,口のまわりにべちゃとくっついてしまって,皮膚に炎症を起こします.
「よだれかぶれ」の病態は,IV型アレルギーのひとつである接触皮膚炎です.
したがって,”よだれ”という刺激がある間はすっかりきれいになりません.成長とともに”よだれ”が減ると,「よだれかぶれ」も軽快して行きます.

<治療>
1.外用剤
(1)口のまわりの赤味が強い時には,2-3日はステロイド軟膏を塗りましょう.アゴ付近はステロイドの吸収がいいので,赤味がなくなったら,保湿剤に切り替えましょう.
(2)一旦,よだれかぶれがよくなっても,よだれが多い間は保湿剤を塗り続けましょう.保湿剤を塗ることで,皮膚と”よだれ”の直接的な接触を減らすことができます.
2.内服薬かゆみが強くて,アゴをベッドや服にこすりつけるような時には,短期間かゆみ止めの飲み薬を処方する場合があります.

<ポイント>
よだれが多い時には,よだれや汚れをとるために,1日に10-20回は口のまわりを拭きますね.口のまわりを拭くと,よだれや汚れだけでなく,皮膚にうるおいを与える役目をもっている「皮脂」とせっかく塗った外用剤がとれてしまいます.
1日に10-20回口のまわりを拭いたら,拭くたびに(つまりは1日10-20回),外用剤を塗って下さい.拭き取られた外用剤は効きません.とくに保湿剤はまめに塗る必要があります.