おたふくかぜワクチンの予防接種について

おたふくかぜでは,耳下腺炎が97%,舌下腺炎が20%,精巣炎が13%,卵巣炎が4%,乳腺炎が10%,膵炎が4%,脳炎が0.02-0.3%に認められます。おたふくかぜの重症化としては,髄膜炎の合併と後遺症としての難聴がよく知られており、髄膜炎は3-10%に,片側または両側の難聴が0.1-0.25%に起こります。髄膜炎については、以前の統一株のMMR ワクチン接種後では約 500~1,000人に1人の発生頻度ですが、おたふくかぜの自然感染ではさらに多く、約80人に1人が髄膜炎で入院加療を受けます。現在任意で接種されているおたふくかぜ単独のワクチン接種後の髄膜炎は、2,000~2,500人に1人の発症頻度であり、自然感染よりはるかに少ないのです。日本では毎年120万人の出生があり、ワクチンが全く接種されない場合にはおたふくかぜの顕性感染が84万人に起こり,合併症や後遺症が確実に発生します。計算上、毎年400人から5000人がおたふくかぜによる難聴を発症していることになります。水痘と同時におたふくかぜワクチンを接種しましょう。