熱性けいれん
生後6カ月から6歳くらいまでのお子さんが,熱の上がる直前または熱の上がる時に起こす「ひきつけ」です.6歳までに7-10%のお子さんが1度はひきつけを起こします.発症のピークは1歳で,約80%は3歳までに発症します.熱性けいれんは家族集積性があります.お父さん、お母さんが乳幼児期に熱性けいれんがあった場合には,お子さんは熱性けいれんを起こしやすくなります.熱性けいれんは成長とともになくなるので,心配しないで下さい.
<ひきつけたときはどうするか?>
(1)あわてない:
ひきつけは数分間で止まります.命にかかわることは,まずありません.
(2)何もするな:
口の中に指や箸を入れない(舌を噛むことはない).大声で呼んだり体をゆすったり,抑えつけたりしない.
(3)楽な姿勢で:
体を横にねかせ,服をゆるめる.
(4)吐くと危ない:
吐きそうなら体ごと横にして,吐いたものがのどにつまらないようにする.
(5)じっと見る:
時計を見て,何分続いているか確かめる.けいれんの様子をよく観察する.
<ポイント>
*発熱時に1-2分間で止まる左右対称のひきつけは,ほとんどが熱性けいれんなので,心配は不要です.ただし,熱がないのにひきつけを起こす,発熱時でも何度も繰り返す場合や、長いけいれん、左右対称でないけいれん、意識不明瞭が続くなどを認める場合、てんかんや髄膜炎などほかの病気の可能性があります.この場合には,脳波検査・血液検査・画像検査が必要になります.
*ひきつけを起こしているお子さんを見ていると時間が異常に長く感じられますが,実際はほとんどが1-2分以内です.あわてずに,時計で時間を計り,お子さんの様子をよく観察して下さい.
*10分以上もひきつけが続く場合には重積発作の可能性があります.すぐに病院を受診して下さい.