花粉症について

<花粉の飛散時期>
主な花粉の飛散時期は,樹木(スギ,ヒノキ,ハンノキ,シラカンバなど)は1-5月(ピークは3月),
イネ科植物(ハルガヤ,カモガヤ,オオアワガエリ,ギョウギシバなど)は4-11月(同5-6月と10月の2峰性),
キク科雑草(ブタクサ,ヨモギなど)やクワ科雑草(クワモドキ,カナムグラなど)は8-10月(同9月)です.
<検査>
血液中の特異IgE抗体を測定することにより,原因となっているアレルゲンを推定できます.
<治療薬>
1.内服薬
(1)遊離抑制薬(アレギサールなど):
アレルギー反応の初期段階を抑制します.
(2)第2世代抗ヒスタミン薬(ジルテック,アレジオンなど):
くしゃみ,鼻汁に効果があります.
(3)抗ロイコトリエン薬(オノンなど):
鼻閉に効果があります.
(4)漢方薬:補助的に使用します.

2.外用薬
(5)鼻噴霧用ステロイド(ナゾネックスなど):
鼻粘膜におけるアレルギー性炎症を抑えます.
(6)点眼用抗ヒスタミン薬(ザジテンなど)または遊離抑制薬(インタール,アレギサールなど)
(7)点眼用ステロイド薬(フルメトロンなど)
<重症度,病型と治療>
1.初期療法:
花粉症で例年強い症状を起こす場合には,花粉飛散開始または少しでも症状が現れた時点で,
(1)遊離抑制薬,
(2)第2世代抗ヒスタミン薬,
(3)抗ロイコトリエン薬のいずれか1つを開始します.
2.軽症:
(2)第2世代抗ヒスタミン薬で治療を開始し,必要に応じて(5)鼻噴霧用ステロイドを追加します.
3.中等症
(i)くしゃみ・鼻漏型:
(2)第2世代抗ヒスタミン薬+(5)鼻噴霧用ステロイドを用います.
(ii)鼻閉型または鼻閉を主とする充全型:
(3) 抗ロイコトリエン薬+(5)鼻噴霧用ステロイド+(2)第2世代抗ヒスタミン薬を用います.
4.重症・最重症(i)くしゃみ・鼻漏型:
(5)鼻噴霧用ステロイド+(2)第2世代抗ヒスタミン薬を用います.
(ii)鼻閉型または鼻閉を主とする充全型:
(5)鼻噴霧用ステロイド+(3) 抗ロイコトリエン薬+(2)第2世代抗ヒスタミン薬を用います。
#眼症状に対しては(6)点眼用抗ヒスタミン薬または(7)点眼用ステロイド薬を併用します.